心を宿す道具
おはようございます!
日本剣道具製作所のある西都市は、梅雨明けしたというのに、昨夕は激しい雨が降りました。
前方が白くなるくらいの激しい雨の中、小学生の下校を見守る老人会の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいでした。
先日、家の片付けをしていると、大工だった亡き祖父の古びた仕事道具が出てきました。
表面がほとんど剥がれ落ちとても使い古されたそれは、それとは似つかわしくない綺麗な化粧箱の中で、几帳面な祖父の性格を物語るようにきちんと整頓され入れられておりました。
それがかえって、祖父が大事に使っていたお気に入りの道具だったのだなと感じました。
祖父は、黙々と工場で作業し、我が家も自分で建ててしまうような人でした。
亡くなって十数年経ちますが、きっとその道具には今も祖父のものづくりへの心が宿っているでしょう。
日本剣道具製作所で職人が使っている道具も、長年使い込むうちにその職人の形になっていきます。
物には魂が宿ると言いますが、道具と共にものづくりをしていく積み重ねが、道具に心を宿し、職人は伝統技術を極めていくのです。
道具に魂を宿らせるには、道具を愛さないといけないと思います。
愛情を持って、大切に。
最初はどんなに使い勝手が悪くても、愛情を持って使うほどに自分の形になっていくと思います。
きっと、そんな職人が作る防具にもその心が伝わっていくでしょう。
そして、その心が宿った防具を皆様がお使いになり、そこに皆様の心が重なっていくのだと思います。
これからも、魂のこもった道具と共に心をこめて防具づくりに励み、私たちの作った防具に皆様の心が積み重なっていくような、長く愛されるものづくりをしていきたいと思っております。