【糸の重要性】全日本選手権に選ばれる防具の秘密
全日本武道具/日本剣道具製作所の工場では、
防具に刺す“糸”を品質の最重要点として位置づけています。
まず大切なのは、
**「色」そして「切れないこと」**です。
剣道具は古来より「濃ゆい藍」が好まれてきました。
日本中に数多くの藍染が存在する中で、
なぜ“小島の武州藍”が特別視されてきたのか。
それは、【剣道防具】としては黒に近い深い藍こそが、高級感と威厳を宿す色だからです。
その深い藍に調和するよう、
私たちは【艶のある黒糸】を特別にオーダーしています。
「より濃く、より深く」——
生地の表情と防具の存在感を最大限に引き出すため、
職人と共に綿密に調整しながら糸色をオーダーしています。
「紫や赤み」の強い色味は、古くから剣道防具には好まれません。剣道具本来の美しさ、武具としての存在感を引き出すには、
**深く沈むような“黒に近い藍”**が欠かせないのです。
そしてもうひとつが、切れないことです。
糸がすぐに切れてしまえば、
防具の耐久性は落ち、コシが失われ、形がへたり、
本来備えるべき品格まで損なわれます。
だからこそ私たちは、“切れない糸”を徹底的に厳選し、
長年の研究と技術の蓄積をもとに独自仕様でオーダーしています。
だから私たちは、
ただ“糸を仕入れる”のではなく、糸そのものを研究し、特別にオーダーするほど重要視しています。
一本の糸の質が、防具全体の寿命と品格を決める。
そしてその積み重ねこそが、私たちの防具が全日本選手権で数多く選ばれている理由のひとつなのではないでしょうか。
この信念のもと、
私たちは今日も“糸”からものづくりを積み上げています。








