腕だけでは足りない。知識があってこそ、製作できる。
腕だけでは足りない。知識があってこそ、製作できる。
最近の状況として、業界全体の約9割が海外企業製の防具と言われる中、
各工場への製作委託に対する不安、材料の不安定さによる納期遅延、度重なる値上げなど、
多くの課題を抱えているという声を、メーカー様や地方の販売店様より数多く耳にするようになりました。
そのような背景から、
「御社の工場で製作できないか」
というご相談を、近年とても多くいただいています。
防具製作に対する不安は、実は10年以上前から指摘されてきた問題でもあります。
しかし現在は、その懸念が急速に、そして現実的な危機として強まっていると感じています。
その要因の一つは、あまりにも海外製作に依存し、技術までも海外に委ねたまま低価格販売を続けてきた販売店、
そしてそれを請け負ってきた製造工場の行き着く先ではないかと考えています。
無理な価格競争の中で、設備投資や人材育成が後回しにされ、
結果として、生産体制そのものが維持できなくなるケースも少なくありません。
また、「世代交代やオーナー交代」をきっかけに、
品質が急激に低下する事例も散見されます。
剣道防具は、数年の知識や経験だけで製作できるものではありません。
どれほど腕が良くても、知識を持ち、全体を見渡せる管理者がいなければ、防具づくりは成り立たない。
そのことを、改めて強く確信いたしました。
長年培われてきた技術や判断基準が引き継がれないまま、
表面上は同じ名前であっても、中身が大きく変わってしまう。
そのような現実が、業界全体の不安をさらに加速させているように感じます。
現在、剣道防具業界は大きな転換期を迎え、
急激な変化の中で、非常に厳しい状況に置かれていると、日々強く実感しています。
そのような話を耳にするたびに、私たちはこれまで通り、
「良いものを自社でつくり、お客様に喜んでいただく」
という姿勢を決して崩さず、製作を続けていきたいと、改めて強く思います。
流れに身を任せるのではなく、
自分たちの手で道を切り開き、土台を築き、
芯を持ったものづくりを、愚直に続けていくこと。
そして何より、
その姿勢を理解し、支えてくださるお客様に恵まれていることを、
心からありがたく、感謝しているところです。
防具製作についてのブログはこちら
▶ https://zennihonbudougu.com/blog







