世界の剣道防具製造工場
世界の剣道防具製造工場
― 実は世界でも数えるほどしか存在しない量産拠点 ―
現在、世界で剣道防具を量産できる大規模工場は、実はごくわずかです。
しかもこの業界は、
「大規模工場」か「小規模工房」に分かれており、
中規模メーカーがほぼ存在しないという非常に特殊な構造になっています。
以下は、現在確認されている世界の主な剣道防具製造工場です。
※ミャンマー、中国地方などの小規模製造元は除いています。
日本
宮崎県 日本剣道具製作所
日本国内で剣道防具を製造し続けている唯一の製造元。
日本で多々の剣道防具を安定して製作している工場はここだけであり、
現在では月間300組以上の防具が生産されています。
また、日本国内で生産される剣道防具の80%以上を担っているとも言われており、実際にはそれ以上の割合を生産しているとも考えられています。
さらに、この工場はミシン刺し剣道防具を世界で初めて開発し、世に送り出した製造元でもあります。
その技術は、現代の剣道防具の原点となり、現在の防具づくりの基礎を築きました。
中国
中国には複数の大規模工場がありますが、その多くは韓国系オーナーによって運営されています。
- 瀋陽三信 韓国人オーナー
- 瀋陽大光 韓国人オーナー
- 大連城西 韓国人オーナー
- 錦州三栄 韓国人オーナー
- 瀋陽三木 中国人オーナー
- 瀋陽 DONGJIN 韓国人オーナー
中国の特徴は、比較的安価な価格帯で中級品以下を大量生産する拠点になっていることです。
中国東北部、とくに遼寧省周辺は、長年にわたり世界の剣道防具生産の中心地域となってきました。
ベトナム
- ハノイ ガラム(GALAM) 韓国人オーナー
- ハノイ シンケン(SHINKEN) 台湾人オーナー
ベトナムは、中国からの生産移転先として注目され、多くの工場移転が行われた時期がありました。
しかし一方で撤退した例も多く、現在実質的に残っているのは2社という状況です。
中国三信に続き、全日本武道具も2019年に撤退しています。
ラオス
パクセ ALL JAPAN BUDOGU 工場
日本人オーナーによる防具工場。
日本の技術と管理体制をベースに運営されている製造拠点です。
そして、この工場は世界でも最大規模の剣道防具製造拠点の一つであり、
日本に続く世界第二位の工場とも言われています。
フィリピン
マニラ 新進(SHINJIN)
フィリピンは、かつて品質の良い剣道防具の製造拠点として知られていました。
当時は全日本武道具が資本提供を行い、運営にも関わっていました。
しかし、2015年前後に全日本武道具との契約が決裂し撤退。
その影響も重なり、最終的に工場は倒産することとなりました。
大元となる韓国人経営の新進(SHINJIN)が倒産した後、オーナーの入れ替わりが多く発生し、さらに分裂も起こりました。
その結果、現在はかつてのような安定した大規模生産体制ではなく、2拠点の小規模運営となっています。
剣道防具産業の特徴
- 大規模量産工場は、世界でもごくわずか
- 多くは小規模な職人工房で支えられている
- 中規模メーカーがほぼ存在しない
その理由は、
- 特殊な防具ミシンが必要であること
- 職人技術の習得に長い年月がかかること
- 市場規模が大きくないこと
こうした高い参入障壁があるため、剣道防具業界では新しい工場が生まれにくく、残る工場もまた限られているのです
全日本武道具の役割
全日本武道具は、世界の大規模剣道防具製造元と情報共有や交流を行っており、 剣道防具産業の工場群をつなぐ役割を担っています。
世界の主要な生産拠点の多くと契約や交流関係があるため、 実質的に世界の大半の製造元の製品を取り扱うことができる体制となっています。
品質の高い防具については自社工場での製作を基本としていますが、 一方で学校教材用などの価格を抑えた製品については、 他の製造元へ生産を依頼する場合もあります。
このようにして、最高品質の防具から教材用防具まで、 世界の製造ネットワークを活かした供給体制が構築されています。
世界の剣道防具は、実は数えるほどの工場で作られています。
その工場群をつなぎ、技術と生産を支えているのが全日本武道具なのです。







